職人技と細密模様に魅せられる、ウズベキスタンの「リシタン陶器」
Rishtaにて、インターン生を迎えております。
今回はインターン生の体験記を記載させていただきます。
ウズベキスタンのお土産紹介に外せない、リシタン陶器。
その名の通り、リシタンという町でつくられる、繊細な模様と青色が特色の伝統ある陶器です。
観光地を巡れば、きっと様々な場所で出会えることでしょう。
リシタンには観光客も見学できる工房があり、今回はそのいくつかの工房を見学させていただきました。
ガラスのように澄んだリシタン陶器 職人技を磨き続ける伝統ある工房へ
こちらはノリコ学級の旧校舎にある、リシタン陶器の伝統をつくりあげてきた昔ながらの工房。
その内観は、洞窟の湖を思わせる深く澄んだ青緑の陶器があらゆる場所に飾られ、それらを紅葉しつつある葉と蔦が彩り、まるでジブリの世界に迷い込んだよう。
ここでは12~15歳の青年たちも技術を学んでおり、粘土の成形を手の感覚で覚られるよう、目隠しをして練習する様子を見せていただきました。
目で見ずとも、一つひとつ均等に揃ったフリル状の装飾。まさに職人技です。
成形したら一週間乾燥させたのち、900度の窯で9~10時間ほど素焼き。
絵付けをしたら釉薬でカラーリング。
フェルガナ地方でとれる木と、ガラスのような質感になる岩石を1500度で溶かし、スプレーホースで噴霧するとのこと。
この釉薬が、こちらの工房特有の透き通った質感を生み出しているんですね。
少々値は張りますが、オリジナルの釉がけでこの工房でしか生み出せない質感に、最初から最後まで伝統ある手仕事でつくられた職人技の結晶たち。
陶器ファンにはたまらない作品です。
ここの職人さんの作品だけでなく、アースカラーとしなやかな植物柄が美しい、昔のスタイルの陶器も。
ノリコ学級の卒業生が自身の工房を開いて制作しているものだそう。ここでしか購入できないとのこと。
カラフルポップな日常デザイン リシタン陶器の発展を促す大規模な工房へ
続いては大きな工房へ。
こちらでは機械と成形型を導入し、ベースとなる素焼きの器を大量生産しています。
出来上がった素焼きは工房内で色付けするだけでなく、絵付けのみを行う他の工房も買い取っているとのこと。
製法だけでなくデザインも比較的新しく、伝統的な青い陶器に加え、点描で描かれたものであったり、鮮やかな暖色と大振りの柄を入れたポップなものであったりと、カラフルで可愛らしい陶器も多く取り扱われています。
大量生産によって新しいデザインに伝統スタイルの陶器が埋もれていったり、手仕事のできる職人が減っていく懸念も...。
ですが、比較的安価で日常に取り入れやすい食器が増え、また、大きな工房によってリシタン陶器が広く普及し発展していったのも事実。
用途に合わせて選び、良品を買いたい場合はたくさん見比べて品質を見極めることが大事になってきますね。
伝統スタイルとモダンデザインと 細密模様に心奪われるリシタン陶器工房へ
最後はまた伝統的なスタイルの、Rustam Usmanov氏の工房。
こちらでも、フェルガナの木からとれる釉薬を使用した青い陶器を手作りしています。
細密な幾何学模様が美しい...。
たくさんの作品がありながら、全く同じものは一つとしてなく、一点一点眺めているとあっという間に時間が過ぎていきます。
青い陶器だけでなく、泡風呂に絵の具を混ぜてそこに浸したような、珍しい模様の陶器も。
まるで磨いた鉱石のような美しさ。
絵付け見学では、イラストチックな猫など、モダンなデザインのタイルも見せていただきました。
銅を用いたベースカラーの青い陶器を時折り見かけますが、ここでは銅とコバルトとマンガンを使用しているそう。
大きなお皿では模様の広がりがある分、繊細さがより際立って見栄えがしますが、小さいカップもまた、精巧な柄がキュッとつまった可愛さに心を惹かれ。
物欲が刺激されて、エスプレッソカップをお土産に購入しちゃいました。
Rustam Usmanov氏の工房はこちらでも詳しくご紹介しています。
繊細な柄が美しすぎるリシタン陶器 | ウズベキスタン陶器と雑貨の通販サイト | Rishta (srprishta.com)
今回の訪問で、カラフルなお皿から伝統的な青い器まで、様々なリシタン陶器を新しく仕入れました。
11月5~6日のSilkroad bazar vol.7で販売いたします。
日本ではなかなか出会えないリシタン陶器の魅力を、ぜひこの機会にご覧ください!