【特集】ホレズム地方の手仕事
先日、約一年ぶりにホレズム地方へ旅行兼ね、仕入れに行ってきました。
ホレズム地方の観光地、ヒヴァ、イチャンカラは世界遺産にも登録されており、16世紀から20世紀初頭のヒヴァ・ハン国時代の建物が残っています。
イチャンカラは城壁で囲まれており、ヒヴァ・ハン国時代の主要な政治の場所だったと言われています。そのため、イスラム教の宮殿、霊廟、モスク、ミナレット、神学校など、大きな建物がさほど大きくない面積にたくさん建てられています。
ホレズム地方は昔からウズベキスタンの中でも、踊りや音楽、衣装、工芸、言語が他の地域と少し異なり、独特な文化を有しています。
今回はそんなホレズム地方で制作されている手仕事のモノを仕入れてきましたので、ご紹介していきます。
ホレズム地方の陶器、タイル
ウズベキスタンの多くの観光地で販売されている陶器は東部フェルガナ地方のリシタン陶器。細かい模様が特徴的な陶器です。
対してホレズム地方の陶器は、あまり観光地に販売されておらず、ホレズム地方でしかなかなか手に入りません。
またリシタン陶器は制作している人が数名おり、弟子もたくさんいますが、ホレズム地方の陶器は2件のみ。なかなかウズベキスタンでも知られていないのが現状です。
青、ターコイズブルー、白を基調とした三色の陶器。
植物や幾何学模様が描かれています。
粘土にわらを少し混ぜて作られ、少し重みがあります。
そして、中心に向かって、少し斜めになっている形が特徴的。
油や汁が中心に集まりやすくなっています。
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木製彫刻のジュエリーボックスとカッティングボード
イチャンカラの中には、木彫りや絨毯などの工房もありますが、工房のひとつで制作しているのが、木彫りのカッティングボ―ドとジュエリーボックス。
ウズベキスタンの観光地の建造物では木製の柱や扉などをよく見かけ、植物や幾何学模様が彫刻されています。
ジュエリーボックスとまな板はそんなウズベキスタンの木彫り技術で制作された名産品。
木のぬくもりが感じられる商品です。
こんなカッティング―ド。インテリア雑貨としてもおすすめです。
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スペシャル・ノンスタンプ
ノンのスタンプはウズベキスタンのパン制作に欠かせない調理器具。
真ん中に押して、空気をぬく役目をしながら、模様をつけてくれます。
ノンスタンプはさまざまな街で売られていますが、ヒヴァでも多くのノンスタンプ、特に外側がペイントされたものが多く制作されています。
今回は、また変わった、彫刻されたノンスタンプを見つけました。
持つところが、ミナレット(イスラム教の礼拝をお知らせするための塔)になっていたり、模様が彫刻されていたり。
これはひとつの芸術作品!だと、一瞬で惹かれて仕入れてきました。
パン作りの興味がなくても、キッチンのインテリアとしていかがでしょうか。
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ウズベキスタンのチェス
ウズベキスタンはチェスが盛んで、小さい頃から自宅で遊ぶ子どもも多いのだとか。我が家の娘たちも保育園でチェスで遊んだりするようです。
そんなチェス好きな国、ウズベキスタンで制作されているかわいいチェス。
民族衣装を纏ったコマ、そしてチェスの台は細密画が描かれています。
同じようもので、台の細密画がプリントされているものもありますが、Rishtaでは手描きのものを仕入れています。
チェスを知らなくても、お部屋に飾るだけでもかわいいですね。
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手編みのルームシューズ
最後にこちら、手編みのルームシューズ。
ルームシューズは周辺の国でも編まれていますが、ヒヴァの多くの模様はこちらのタイプ。
素材は綿のものを仕入れました。
ホレズム地方はウズベキスタンの中でも寒い地域で、冬はマイナス10℃以下、かなり冷え込みます。
だからか、ヒヴァといったらこの手編みのルームシューズ。
観光地でも販売のすきま時間で、ルームシューズを手編みしている姿をよく見かけます。
おすすめはスリッパのように、靴下の上からルームシューズとして履くこと。
またプレゼントとしてもおすすめです。
冬の寒い時期、ヒヴァのルームシューズで温まりませんか。
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ヒヴァの工芸品まとめ
今回はヒヴァの工芸品をたくさん仕入れてきました。
ヒヴァには木製製品や手編みのルームシューズなど、一つ一つ手作業で制作されているものがたくさんあります。
便利な世の中、またたくさんの物があふれる中、一つ一つ手業で制作されるモノがどんどん減ってきています。
だからか、ウズベキスタンで昔とあまり変わらず、スローなライフを送りながら手作業で制作されている工芸品を見たとき、たくさんの人に、また未来にもこの伝統や工芸品を繋いでいきたいなと感じます。
今回のヒヴァでも、そんな工芸家たちと再会しましたが、やはりコロナの影響は大きいようで、観光客が少ないため、他の国へ出稼ぎに出てしまった工芸家もいました。
一番最初に紹介した陶器も、陶器の需要よりも建築物のタイルの方が需要があるため、伝統的な陶器を制作する数もますます減っているようです。
今回の記事で、より多くの方にヒヴァの工芸について知って頂けたら幸いです。