ウズベキスタン雑貨ショップ "Rishta" 商品開発ストーリー
カラフルな絣生地、繊細模様の陶器、ひと針ずつ手縫いされたスザニ刺繍。
ウズベキスタンにはシルクロードの中継地として栄え、人やものが行き交ったあかしを感じさせる、日本などのアジア、ヨーロッパと似たようで異なる伝統工芸が人々を魅了します。
ウズベキスタンと深い関わりを持ちはじめ12年。
雑貨販売のはじまりは、旅行関係のお仕事をしながら、ウズベキスタンの紹介につながる活動の一環として、観光地に販売されているポーチや陶器を紹介することでした。
しかし雑貨を紹介していくうちに、観光客が観光地で買える、単なる「お土産」ではなく、現地の人々と「新しいブランド」を立ち上げたい。
そんな想いから、はじまったのが"Rishta(リシュタ)"です。
今回は "Rishta"の商品開発で気をつけていることをお伝えしたいと思います。
できるだけ工房から職人から素材を入手する
職人とより近い関係で商品を作りたい、また生地などの素材をどんな工程で作るのか理解したいということで、絣やスザニ刺繍、リシタン陶器の多くは工房から取り寄せています。
絣生地もスザニ刺繍も色や柄が多種多様。
そのため、頻繁に連絡をとり、好みの色合いや柄を伝え、オリジナルの注文も行なっています。
商品を見ると、生地そのものの美しさや繊細さというのは伝わりますが、職人と関わることで想いや深い歴史を知ることができます。
絣もスザニ刺繍も、そしてリシタン陶器も、実に細かい作業が積み重ねられ、製作されています。
そんなことも忘れないため、できるだけ、作り手から入手することを心がけています。
現地のテーラーと相談する
商品を製作する上で、テーラーにはただ注文をするだけではなく、デザインを一緒に考えてもらえるよう相談するようにしています。
それは、テーラー自身の経験を尊重したいのと、共に作り上げるということを大切にしたいから。時には何時間も意見を交わします。
Rishtaと契約しているテーラーは数名いるのですが、多くはこれまで多くのワンピースやジャケットを製作してきたテイラーの先生でもあります。
絣生地の扱いなどで、彼女たちからの提案はとても役に立ち、またこちらの好みも尊重してもらいながら商品作りをしています。
できるだけゴミを出さずに、またゴミにならないように
世界的に「サスティナブル」SDGsの取り組みが注目されるようになりました。
大量生産による環境破壊。また大量廃棄。自分たちが作ったものが、どこかで誰かの手にも渡らず破棄されてしまうと大変悲惨です。
商品を開発、販売する側になり、よる深く生産者側としてのサスティナブルについて考えるようになりました。
Rishtaでは少しでも余った布を他の商品に使用するなどし、ゴミを出さないように努めています。
また丁寧に作り上げ、ゴミにならないようにという想いを込めて製作しています。
テーラーとWin-Winの良い関係作りをすること
ウズベキスタンは首都タシケントと地方との差も大きく、特に首都以外での失業者も多いのが現状です。
日本や欧米諸国から来る観光客側としてはレストランでの食事や交通手段などで物価が安いと感じことが多いでしょう。
しかし現地人の賃金に対する物の値段が高いのが現状です。
公務員でさえも、賃金が安いのです。
ウズベキスタンの女性の多くは20歳前後に結婚します。
その後は割とすぐに子供を出産し、40代後半には子供が独立していく家庭も少なくありません。
子供の数もだいたい3人以上なので、その間生活費、教育費がかかります。
18歳くらいからテーラーの見習いを始め、20歳くらいに立派なテーラーになっても、結局仕事を辞めてしまう人も少なくありません。
テーラーの仕事は好きだけど、現地のお客さんからの注文は給料の割にあっていない人が多いのです。
Rishtaではテーラーが納得のいく値段で縫ってもらうようにしています。
もちろん、そのような関係づくりはRishtaのブランディングにも必須条件です。
テーラーとWin-Winな関係づくりで今後も商品を開発していきたいと思います。
最後に
オリジナルブランドをウズベキスタンの人々と立ち上げるのは、時には意見や好みが異なり、大変なこともあります。
しかし、ウズベキスタンの人々と素敵な素材を使い、あらたに商品を作り上げることで、ウズベキスタンの人々も伝統の良さを見直す機会にもつながります。
今後もRIshtaのこのようなモットーを現地の人々と共有しながら商品作りに励みたいと思います。